顧客から「選ばれる会社」と「比較される会社」の違いとは?

こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。

「うちの商品やサービスは品質に自信がある。それなのになぜ価格ばかり比較されるのだろうか。」

弊社では、このようなお悩みを抱えている経営者様やマーケティング担当者様からのご相談を多く頂戴します。実際、多くの企業がWebサイトの改善やSEO対策、Web広告の運用などに取り組み、問い合わせ件数の増加を目指しています。しかし、問い合わせは増えているにもかかわらず、商談では価格の話ばかりになり、最終的には相見積もりの末に失注してしまうケースも珍しくありません。

一方で、同じ業界の中には「多少価格が高くても選ばれる会社」が存在します。顧客から「御社にお願いしたいと思って問い合わせました」と言われ、他社との比較がほとんど行われない企業です。この違いは、商品やサービスそのものの品質だけで生まれているわけではありません。

実は、顧客が企業をどのように認識し、どのような期待を持った状態で問い合わせに至るのかという点に大きな違いがあります。そして、その認識や期待を形成する上で重要な役割を果たしているのがWebマーケティングです。

多くの企業は、自社の商品やサービスの特徴を丁寧に説明しようとします。しかし、それだけでは顧客にとって「比較対象の一社」になってしまうことがあります。一方で、選ばれる会社は、自社の強みだけではなく、「誰のために」「どのような課題を解決し」「どのような成果を実現するのか」を明確に発信しています。その結果、顧客は価格だけではなく、提供される価値や期待できる成果を基準に判断するようになるのです。

本記事では、「比較される会社」と「選ばれる会社」の違いをWebマーケティングの視点から解説します。価格競争に巻き込まれる企業と、価格以外の価値で選ばれる企業では、Webサイトやコンテンツ、情報発信の考え方にどのような違いがあるのかをお話しします。

目次

なぜ価格競争に巻き込まれるのか?

価格競争に悩む企業の多くは、「価格を下げたくて下げている」のではなく、「価格でしか比較されない状態」に陥っています。そして、その原因の一つがWebサイトや情報発信の内容にあることは意外と知られていません。

例えば、企業のホームページを見てみると、「サービス内容」「料金」「導入の流れ」「会社概要」といった情報が中心になっているケースが少なくありません。もちろん、これらの情報は顧客にとって必要なものです。しかし、多くの競合企業も同じような情報を掲載しているため、顧客から見ると違いが分かりにくくなります。

違いが分からない状態になると、顧客は何を基準に比較するでしょうか。その答えが「価格」です。品質や実績、対応力などに差があったとしても、それが十分に伝わっていなければ、最も分かりやすい判断基準である価格で比較されることになります。

特にBtoB企業では、「高品質」「豊富な実績」「迅速対応」といった表現をよく見かけます。しかし、これらは多くの企業が使っているため、顧客にとっては差別化要因になりにくいのが実情です。結果として、「結局どこに頼んでも同じではないか」という印象を与え、相見積もりが前提の商談へと進んでしまいます。

また、多くの企業は問い合わせ獲得を重視するあまり、「今すぐ問い合わせをしてもらうこと」を目的とした情報設計になっています。しかし、本来Webマーケティングの役割は問い合わせ件数を増やすことだけではありません。顧客に対して自社の考え方や専門性、強みを伝え、「なぜこの会社を選ぶべきなのか」を理解してもらうことも重要な役割です。

価格競争に巻き込まれる企業の多くは、商品やサービスを説明することには力を入れていても、自社ならではの価値や選ばれる理由を十分に発信できていません。その結果、Webサイトが自社の魅力を伝える場ではなく、競合他社との比較材料を並べる場になってしまっているのです。

「比較される会社」と「選ばれる会社」の決定的な違い

「比較される会社」と「選ばれる会社」の違いは、商品やサービスの性能そのものではなく、顧客がその企業に対して抱く期待にあります。

比較される会社のWebサイトや営業資料を見ると、「何を提供しているのか」という説明が中心になっていることが少なくありません。サービス内容や機能、料金、対応範囲などは詳しく説明されているものの、それによって顧客がどのような成果を得られるのかが十分に伝わっていないケースが多く見られます。その結果、顧客は複数社のサービス内容や価格を並べて比較し、「条件が良い会社」を探そうとします。

一方で、選ばれる会社は「何を提供するか」よりも、「顧客の課題をどのように解決し、どのような成果につなげるのか」を伝えています。つまり、商品やサービスそのものではなく、その先にある価値を発信しているのです。

例えば、Webマーケティング支援会社であれば、「SEO対策を提供します」ではなく、「問い合わせにつながる見込み顧客との接点を増やします」と伝える方が、顧客にとっての価値が明確になります。同じサービスであっても、顧客が受け取る印象は大きく変わるでしょう。

また、選ばれる会社は自社の得意分野や対象顧客を明確にしています。「あらゆる企業に対応できます」というメッセージは一見魅力的に見えますが、顧客からすると特徴が見えにくくなります。反対に、「製造業の新規顧客開拓に強い」「BtoB企業のリード獲得支援に特化している」といった専門性が明確な企業は、その課題を抱える顧客にとって有力な選択肢になります。

さらに、選ばれる会社は事例やノウハウを積極的に発信しています。実際の支援実績や課題解決のプロセスを公開することで、顧客は「この会社なら自社の課題も解決してくれそうだ」と具体的なイメージを持つことができます。その結果、問い合わせの段階で一定の信頼関係が構築され、価格だけで判断されにくくなるのです。

つまり、比較される会社が商品やサービスを売ろうとしているのに対し、選ばれる会社は顧客が実現したい未来や成果を売っています。この違いこそが、価格競争に巻き込まれるか、価値で選ばれるかを分ける大きな要因なのです。

Webマーケティングで「選ばれる理由」をつくる方法

では、どうすればWebマーケティングを通じて「選ばれる会社」になることができるのでしょうか。そのために重要なのは、自社の強みを一方的にアピールすることではなく、顧客が「この会社なら任せたい」と感じる理由を積み上げていくことです。

まず取り組むべきなのは、ターゲットを明確にすることです。多くの企業は少しでも多くの問い合わせを獲得しようとして、幅広い顧客層に向けたメッセージを発信しがちです。しかし、対象を広げすぎると誰にも刺さらない情報になってしまいます。どのような業界の企業に、どのような課題解決を提供するのかを明確にすることで、自社の専門性が伝わりやすくなります。

次に重要なのが、ノウハウや知見の発信です。顧客は問い合わせをする前に、多くの場合、Webサイトやコラム記事、SNSなどを通じて企業の情報を収集しています。その際に役立つ情報を継続的に発信している企業は、「この分野に詳しい会社」という印象を与えることができます。単なるサービス紹介ではなく、顧客の課題解決につながる情報を提供することが信頼獲得につながります。

また、導入事例や実績の活用も欠かせません。顧客は「自社と似た企業がどのような成果を出しているのか」を知りたいと考えています。成功事例や支援実績を具体的に紹介することで、自社に依頼した場合の成果をイメージしやすくなります。これは価格以上に大きな判断材料になることも少なくありません。

さらに、Webサイト全体の設計も重要です。サービス説明だけでなく、企業の考え方や理念、支援方針、担当者の想いなどを伝えることで、競合他社との違いが見えやすくなります。特にBtoB取引では、サービスそのものだけでなく、「どのような会社と付き合うのか」も重要な判断基準になります。

Webマーケティングの目的は、単にアクセス数や問い合わせ件数を増やすことではありません。顧客との信頼関係を築き、「この会社に相談したい」と思ってもらうことです。その積み重ねこそが、価格ではなく価値で選ばれる企業への第一歩となるのです。

指名検索が増える会社ほど価格競争から抜け出せる

Webマーケティングというと、SEO対策やWeb広告によってアクセス数や問い合わせ件数を増やす活動をイメージする方が多いかもしれません。しかし、本当に目指すべきなのは単なる集客ではなく、「指名される状態」をつくることです。

指名検索とは、企業名やサービス名を指定して検索されることを指します。例えば、「Webマーケティング会社」ではなく「○○株式会社」、「SEO対策」ではなく「○○サービス」と検索される状態です。このような検索行動が増えている企業は、顧客の中で既に認知や信頼を獲得している可能性が高いと言えます。

反対に、価格競争に巻き込まれやすい企業は、一般的なキーワードで見つけてもらうことばかりに注力しているケースがあります。もちろん新規顧客との接点を増やすことは重要ですが、それだけでは顧客にとって数ある候補の一社に過ぎません。その状態では、問い合わせ後に他社との比較が行われ、最終的には価格や条件が判断基準になりやすくなります。

一方で、顧客が企業名を指定して検索する場合、その企業に対して何らかの期待や興味を持っていることがほとんどです。コラム記事を読んだ、セミナーに参加した、SNSの発信を見た、事例を知ったなど、既に接点が形成されています。そのため、商談のスタート地点から競合との差別化が進んでおり、価格だけで比較される可能性も低くなります。

実際に選ばれる企業は、広告やSEOだけに依存しているわけではありません。専門性の高いコンテンツ発信や事例紹介、セミナー、メールマガジン、SNSなどを活用しながら継続的に信頼を積み上げています。その結果、「困ったらあの会社に相談しよう」「まずはあの会社の話を聞いてみたい」という状態をつくり出しているのです。

だからこそ、Webマーケティングの成果を評価する際には、問い合わせ件数だけを見るべきではありません。指名検索数やリピート訪問、資料請求後の商談化率なども重要な指標です。集客の先にある「選ばれる状態」を目指すことが、価格競争から抜け出し、持続的な成長を実現するための重要なポイントと言えるでしょう。

さいごに

価格競争に巻き込まれる企業と、価格以外の価値で選ばれる企業。その違いは商品やサービスそのものではなく、顧客が問い合わせをする前の段階でどのような認識を持っているかにあります。

比較される会社の多くは、自社の商品やサービスの説明に力を入れています。しかし、それだけでは顧客から見た違いが分かりにくくなり、最終的には価格や条件で比較されやすくなります。一方で、選ばれる会社は顧客の課題や実現したい未来に焦点を当て、自社が提供できる価値や成果を発信しています。その結果、「どこが安いか」ではなく、「どこに相談したいか」という視点で選ばれるようになるのです。

また、価格競争を避けるためには、単にWebサイトを作り込むだけでは不十分です。コラム記事や事例紹介、メールマガジン、SNSなどを通じて継続的に情報発信を行い、自社の専門性や考え方を伝えていくことが重要です。その積み重ねが信頼を生み、「この会社なら任せられそうだ」という評価につながります。

特に近年は、顧客自身がインターネットで情報収集を行い、ある程度候補を絞り込んだ上で問い合わせを行う時代です。つまり、営業担当者と接触する前に、多くの意思決定が始まっています。そのため、Webマーケティングは単なる集客施策ではなく、顧客との信頼関係を構築する重要な活動として捉える必要があります。

もし現在、自社が価格競争に悩んでいるのであれば、「どうやって問い合わせを増やすか」だけではなく、「なぜ自社が選ばれるべきなのか」を見直してみてはいかがでしょうか。Webサイトや情報発信の内容を振り返り、自社ならではの価値や専門性が十分に伝わっているかを確認することが重要です。

Webマーケティングの本当の目的は、単に見込み顧客を集めることではありません。顧客から信頼され、比較される存在ではなく、指名される存在になることです。その視点を持つことが、価格競争から一歩抜け出し、持続的に選ばれる企業への第一歩となるはずです!

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

株式会社ピージェーエージェント代表取締役。中央大学理工学部卒業後、NTTドコモビジネス株式会社(旧:NTTコミュニケーションズ株式会社)に入社。IT・WEBを活用したデジタルマーケティングに関する法人企業向けコンサルティング業務に従事。顧客の購買プロセスに基づいたマーケティングシナリオ設計、メールマーケティングを基軸としたCRMコンサルティング等、法人企業の売上向上に寄与するコンサルタントとして活躍。その後、2016年、株式会社ピージェーエージェントを設立、代表取締役に就任。ブランド戦略の立案を強みとして、ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している。

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