
現場の実務を、人に頼らず自分の手でこなす経営者にとって、それでも資格を取る意味はあるでしょうか。
「仕事とデジタルマーケティングと資格」をテーマに、ウェブ解析士協会会員の働き方を深掘りするインタビュー。今回は、中小企業診断士に加え、ウェブ解析士を取得した左居大策(さこ だいさく)さんです。彼が資格で得た、思わぬ収穫について伺いました。
(インタビュー、編集:ウェブ解析士 ふじねまゆこ)
「自分が何者か」を一瞬で伝える肩書きに
――左居さんは、コンサルティング会社である株式会社LINKBANKと進学塾を経営しながら、各事業のウェブ解析も自分の手で担当してこられたそうですね。そんな中、資格を取ろうと思ったのはなぜですか?
左居さん:恩師から「面白い資格があるから、受けてみなよ」と勧められたのがきっかけです。
正直、「資格なんて必要あるかな」と思いながらも、実務経験があったので、テキストを読み込んで、自信を持ったところで試験に臨みました。
――資格の権威性や知識を強く求めていたわけではなかったと思います。実際に取得して、メリットを感じたのはどのような点でしたか。
左居さん:一番良かったのは、自分が何者か説明しやすくなった点です。
中小企業診断士の資格は、周りから見ると何者か分かりづらい資格です。
税理士さんなら税務、社会保険労務士さんなら労務、と専門が一目で分かりますよね。中小企業診断士は扱う領域が広いぶん、取っただけでは何のスペシャリストなのか伝わりづらいんです。
そこにウェブ解析士の肩書きが加わると、ウェブに強いコンサルタントだと瞬間的に伝わるようになりました。資格を取った収穫のひとつです。
人手不足をAIとともに解決する未来へ
――今、一番力を入れている取り組みは?
左居さん:地方の中小企業がAIを無理なく導入できる仕組みづくりです。岡山商工会議所と共同で、産業活性に向けた取り組みも進めています。
――まさに、中小企業診断士とウェブ解析士の資格の掛け合わせですね。
左居さん:はい。都市部に比べて、地方はAI導入がまだこれからだと感じます。一方で人手不足は地方のほうが深刻です。
――人手不足に対して、AIはどう役立つのでしょうか。
左居さん:AIは思っている以上に手軽に実装できます。一度実装すれば、生産性を6〜7倍に高められると知ってほしいんです。最終的には、みんなが当たり前にAIを使いこなせる世界にしていきたいです。
Flashセミナー登壇と意外な反響
――実際、経営する学習塾にAIを導入したことをWACA主催のFlashセミナーでご紹介なさったんですよね。

左居さん:はい。LINKBANKの事業は、社長や従業員の頭の中を言語化してAIに渡し、社内に「もう一人の右腕」をつくる支援です。自社の学習塾でこれを実践した様子を、セミナーでお伝えしました。
一番伝えたかったのは「言語化の大切さ」です。
AIに質問だけすると、平均的な回答しか返ってきませんよね。でも、本当に欲しい回答は自社ならではの前提を踏まえた回答のはずです。
――どうすれば、「自社ならではの回答」になるんでしょう。
左居さん:自社の事業、理念、あり方をAIに教えてあげましょう。自社の価値観、具体的な方針を具体的に言語化して共有すれば、回答が劇的に変わります。
私が提供するサービスは、AIツール活用自体が目的ではないです。何を重視し、どのようなビジョンを掲げて、どうありたいのか言語化し、その価値観と戦略のもとで動く手足をAIで実装しなければ、期待する結果は得られないのです。
――セミナーの反響はいかがでしたか。
左居さん:ありがたいことに、各方面からお話をいただいています。ひとつ驚いたのが、いただいた相談の半分以上が「左居さんの語り方を教えてほしい」だったんです。正直、想定外でした(笑)。
普段、進学塾で意識している、授業で感情の起伏をどこにつくるかなどのノウハウを詰め込んで話したので、語り方を評価いただけたのは嬉しかったですね。
――最後に、これからウェブ解析士の取得を考えている方へメッセージを。
左居さん:すでに実務でウェブ解析をする方には、知識をより深く理解できる良さがあります。
これからウェブ解析に取り組む方は、挑戦する姿勢そのものが大事だとお伝えしたいです。
私の場合、今までなんとなくやってきた取り組みが言語化されましたし、目標に向かうステップを具体的に捉えられるようになりました。
さらに、Flashセミナー登壇などに協力した結果、いろいろな方とのつながりができて、ビジネスが広がります。資格取得後の世界が大きく変わるので、ぜひ挑戦してみてください。
あとがき
デジタルマーケティングは正解がなく、日々進化し続ける分野です。だからこそ、AIを含む新しい方法論やツールばかりを追い求めたくなります。けれど、左居さんの話を聞いて、大事なのは自分の事業や考えを具体的にすることなのだと気づかされました。とりあえず取得してみたら、思わぬ形で返ってくる。その姿勢が、左居さんの収穫につながったのだと思います。貴重なお話をありがとうございました!
関連リンク
株式会社LINKBANK:https://link-bank.jp/
