トップページにボタンを1つ置いたら遷移率21%改善した話|ウェブ解析士サイトの改善事例

ウェブ解析士協会(WACA)のサイトを、ウェブ解析士自身が分析・改善していくプロセスをお見せしていきます。

「ウェブ解析士って何をする人なの?」「どんな考え方が身につくの?」と気になっている方に、「データを見て、考えて、変える」という仕事のリアルをお届けします。

目次

見られているのに、押されていない

ウェブサイトのトップページは、いわばお店の「入り口」です。 多くの人が最初に目にする場所なのに、そこから先のページに進んでもらえなければ、どんなにいい情報を用意していても届きません。

WACAのサイトでも、トップページにはたくさんの人が訪れていました。

しかし、分析したところ「ウェブ解析士試験のページを見てもらいたいのに、ファーストビュー(最初に目に入る画面)が、見られているだけで、ウェブ解析士のリンクがクリックされていない」ということが分かったのです。

実際にスマホで見ると、ファーストビューにはきれいなスライダー画像が表示されています。 でも、ボタンもリンクもなく、画像を眺めるだけの画面になっていました。

実際は写真全体がリンクエリアになっていて、クリックすると「ウェブ解析士とは」のページに遷移します。

実際にレコーディングツール(録画ツール)で確認すると、
①ページを開く
②メイン画像を見る
③下にそのままスクロールする

という行動をするユーザーが多く見られました。

これは、サイトの見た目がきれいかどうかとは別の問題です。

「行動につながる導線があるかどうか」が課題であり、今回の改善テーマです。

 ウェブ解析士は、データから「本当はこうしてほしいのに、そうなっていない」を見つけるのが仕事です。

仮説:ファーストビューに「行動できるもの」がないから、スルーされているのでは?

データを見て、以下の仮説を立てました。

スマホのファーストビューにクリックできる要素がないから、ユーザーは「ここは見るだけの場所」と判断して通り過ぎているのでは?

であれば、ファーストビューに「次のアクション」がわかるボタンを置けば、動いてくれると考えました。

ウェブ解析士の仕事は、こうした仮説をデータから組み立てて、改善につなげること。 直感や好みではなく、「なぜそう考えるのか」を根拠をもって説明できるのが大きな特徴です。

スマホのファーストビューにオレンジのボタンを追加した

改善はとてもシンプルです。

スマホ表示のトップページ、メインビジュアルのスライダーに「ウェブ解析士とは」ページへのオレンジ色のボタンを追加しました。

変えたのは、このボタン1つです。

 デザインを大きく作り直したわけでも、ページの構成を変えたわけでもありません。

遷移率が13.5% → 16.3%に。+21%の改善

ボタンを追加した前後で、スマホからのトップページ → /course/wac/(ウェブ解析士とは)ページへの遷移率を比較しました。

期間遷移率
Before2/12〜2/2513.5%
After2/26〜3/1116.3%
変化+21% UP

「たった2.8ポイント?」と思うかもしれません。でも、少し計算してみましょう。

仮にスマホからトップページに月3,000人が訪れているとすると、改善前の遷移率13.5%では約405人が「ウェブ解析士とは」のページに進んでいた計算です。改善後の16.3%では約489人。つまり、ボタン1つで月に約84人多くこのページにたどり着くようになります。

年間にすれば約1,000人。この中から試験の申し込みに進む人が一定数いると考えれば、ボタン1つの改善が売上やKPIに与えるインパクトは決して小さくありません。

※ トップページから「ウェブ解析士とは」ページへの導線は、このボタンだけではありません。ヘッダーメニューやスクロール先のリンクなど、複数のルートが存在します。つまり、それらの導線はすべて以前と同じままで、変えたのはボタンを1つ足しただけ。それでも全体の遷移率が+21%動いたということは、ファーストビューでの離脱がそれだけ大きかったことの裏返しでもあります。

この記事のポイント

今回やったことは、3つだけです。

  1. データを見て、「見られているけど押されていない」ことに気づいた
  2. 「ボタンがないからスルーされている」と仮説を立てた
  3. ファーストビューにボタンを1つ追加して、効果を測った

特別なツールや大がかりなリニューアルは必要ありません。

「何が起きているかをデータで把握し、仮説を立てて、小さく試す」

この考え方こそ、ウェブ解析士が学ぶスキルの基本です。

「自分のサイトでも同じようなことが起きているかも……」と思った方は、ぜひウェブ解析士について調べてみてください。

データを見る目が変わると、サイトの「もったいない」が見えてくるようになります。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

ウェブ解析士マスター/香川県
1998年からウェブの世界に身を置き、これまで200サイト以上の改善に取り組んできました。「戦略から考える」をモットーに、ウェブコンサルティング、UI/UX設計、サイト構築を一貫して担当。SNSやLINEを含むマーケティング全般まで幅広く手がけています。
分析結果をわかりやすく伝え、チームの意思決定を後押しする「データで語れる改善」を実践しています。

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