SNSのリスク対策に長年の経験 プロモーションの“裏側”を知る ウェブ解析士マスター 嶋津幸太さん

「仕事とデジタルマーケティングと資格」をテーマに、ウェブ解析士協会会員を紹介するインタビューシリーズ。103人目は、SNSなどのリスクコントロールを扱う企業にお勤めの嶋津幸太(しまづこうた)さんです。SNSリスク対策という「プロモーションの裏側」を知り尽くした専門家が、なぜウェブ解析士マスターの取得を決意したのか。15年のキャリアで培った知見と、新たに学んだマーケティングの体系的知識が交差する地点で見出した可能性とは──。

(インタビュー・編集:上級ウェブ解析士 AyaN)

目次

ウェブコンサルタントからサービス開発まで

── 自己紹介をお願いします

嶋津幸太さん 嶋津と申します。SNSやウェブのリスク対策を専業とするシエンプレ株式会社に勤務しています。

── 普段はどのようなお仕事をされているのでしょうか。

嶋津さん:ウェブコンサルタントやディレクターに近い仕事をしています。10〜15社ほどのクライアントのプロモーション業務が一つ。また、社内での新しいサービスの開発や企画運用なども行っています。

クライアントは規模や業種も本当に幅広いです。中小・中堅企業が8割、2割はエンタープライズ、大企業という感じですね。

── ウェブ解析士を知った時期やきっかけは。

嶋津さん:今の仕事は、2011年に新卒で入社してからなので15年ぐらいの経歴です。入社して6、7年ぐらいの時に会社の同僚が上級ウェブ解析士を取ったと話したのがきっかけで「そういう資格があるんだな」と知りました。

実際に資格を取得し始めたのは1〜2年ぐらい前です。以前はSNSのリスク対策を担当していたのですが、プロモーションなどマーケティング領域のスキルも身につけたいと思ったのがきっかけです。ウェブ解析士マスターまで一気に取った感じですね。

採用時のクチコミ対策からサイバーパトロールまで

── 以前、WACAで採用人事関連担当者が集まる勉強会を開催していましたね。

嶋津さん:勤務先では、採用関連の情報発信コンサルティングサービスを提供しています。就職先の候補として求職者は企業のクチコミを検索することがありますが、中にはネガティブなクチコミもありますよね。それを企業としてどう対策するか、またポジティブな情報に転換できる商材(「kai」。文末参照)を扱っています。

採用はマーケティング分野の中でも参考にできる情報が少ない方です。採用マーケティングのコンサルティングをする機会が増え、人事の方や採用に携わっている関係者の方と情報交換する場を持てないかとWACAで相談し、各自の事例や悩みを共有する会を開いたという経緯です。少人数で悩みなどを話し合うことができました。

── SNSのリスク対策では、官庁の仕事も担当したことがあるそうですね。

嶋津さん:勤務先は2014年度から2025年度まで、累計10回にわたり警察庁のサイバーパトロール業務を受託しています。インターネット上の違法・有害な情報を収集する業務です。

私は責任者として、人員採用から教育、日々の業務管理までを行っていました。違法・有害な情報といってもさまざまなので、各判断基準の整備や収集方法の立案などを行っています。

自分のキャリアアップにつなげるなら

── マスターまで受けようと思ったきっかけを教えてください。

嶋津さん:マーケティングなど、ウェブ解析士で学ぶ内容は会社での業務領域とある程度重複する点があります。ウェブ解析士や上級ウェブ解析士の認定講座では、今までの知識である程度は理解できました。逆に、ウェブ解析士マスターまで取らないと自分のキャリアアップやスキルアップにつながらないのかなと思い、せっかくだから取ってみようと。

── 実際に受講して良かったのはどんなことでしょうか。

嶋津さん:今まで、デジタルマーケティングを事業分析から始めて、自分で企画案を作って費用対効果を整理するまでを一人で行った経験がありませんでした。上流からどう取り組めばいいのか実務経験として積めたことが一つ。さらに、クライアントに実際にサービスを提供できるイメージがついたことが一つ。この2点です。

休日を子どもと一緒に満喫する嶋津さん

── キャリアも段階が上がりそうですね。マスター講座で手応えを感じた点を教えてください。

嶋津さん:解析レポートのアウトプットですね。マスターを受けるまではできませんでした。マクロ解析やミクロ解析レポートを作成し、アウトプットできるスキルが身につきました。

── 実務にも使っていますか。

嶋津さん:クライアントワークの中でフレームワークを使って分析したり、企画案を作ったりという機会は日常的にあります。マクロ解析やミクロ解析で使ったフレームワークや考え方を元に自分のレポートに取り入れて提出したこともあります。

リスク対策×プロモーションで新たな切り口を

── 資格で学んだ知識と実務経験をミックスすることで、どのような効果が生まれると想像されますか?

嶋津さん:今まではSNSのリスク対策寄りの業務がメインだったので、今回学んだことをそちらの領域に転用したり取り入れたりすることで、サービス提供の範囲がだいぶ広がると感じています。プロモーションなど、マスター講座で学んだ考え方をうまくミックスし、新しい切り口を考えてサービスを提供するといったことができるのではないかとイメージしています。

── 嶋津さんが講師として目指しているビジョンや、提供できる価値を教えてください。

嶋津さん:クライアントワークだけでなく、社内でのサービス開発や改善、品質維持・管理などの経験もお話しできます。両方の観点から学んだことをどう活用していくかお話ししたいですね。

── 受講生にアピールしたい点があれば教えてください。

嶋津さん:デジタル領域でSNSなども含めたリスク対策を専業にされている方や会社はあまりいらっしゃらないのではないかと思います。そこの知見や今まで私が見てきた事例、プロモーションやPR、マーケティングの観点だけでなく、裏側にあるリスクについての事例などをお話しできるのが強みです。

今後も確実に必要、だから強みに

── 資格取得を検討している方へのメッセージをお願いします

嶋津さん:デジタルマーケティング、ウェブマーケティングは今後も確実に必要とされる領域です。本当に未経験で、全然知っていることがない、この業界に携わったことがない方にとっては、ちょっとハードルはあるかもしれません。自分の強みを何か作りたいと思っている方には、キャリアのステップアップの入り口に最適です。

特に、クライアントワークで定例の打ち合わせに毎回レポートを提出するなど、アウトプットの機会が多い方には上級講座をおすすめします。盛り込めるフレームワークや、実際に数値をどう分析するかといった実務経験と方向性がつかめ、アウトプットの品質が上がります。するとクライアントの評価が上がり、給料が上がり……といった成果も期待できます。キャリアアップにつながりますよ。

あとがき

ウェブマーケティングの中でもリスク対策に特化した経歴をお持ちの嶋津さん。すでにご存じの内容も多かったようですが、手応えが欲しいと次々に上位の資格を取得されたモチベーションの高さはあっぱれですね。クライアントへの接し方、レポートの書き方などに迷っている方はぜひ質問してみましょう。

関連リンク

シエンプレ株式会社のクチコミ対策サービス「kai」:https://www.siemple.co.jp/kai/

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