
こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。
企業のWebサイトを見ていると、「詳しくはこちら」「こちらをクリック」「もっと見る」といったリンク文言をよく目にします。限られたスペースの中で次のページへ誘導できるため、つい使いたくなる便利な表現です。実際、自社サイトでも気づけばあちこちに「詳しくはこちら」が並んでいる、という企業も少なくないのではないでしょうか。
しかし、ユーザーの立場で考えてみると、「詳しくはこちら」だけでは、クリックした先に何があるのかがよくわかりません。料金が掲載されているのか、サービスの詳しい説明があるのか、導入事例が見られるのか。それとも問い合わせフォームに移動するのか。周囲の文章を読めば推測できる場合もありますが、Webサイトのユーザーが必ずしも上から順番に丁寧に読んでくれるとは限りません。
むしろ多くのユーザーは、ページ全体をざっと眺めながら、自分に必要そうな情報を探しています。そのとき「料金を見る」「導入事例を見る」「サービス内容を確認する」と書かれていれば、リンクだけを見ても次に何がわかるのかを判断できます。ほんの数文字の違いですが、こうした小さな工夫がWebサイトのわかりやすさを大きく左右します。
リンク文言は、単なる飾りやボタンのラベルではありません。ユーザーに「次にどこへ進めばいいのか」を伝える案内板のような役割を持っています。そして、わかりやすいアンカーテキストはユーザー体験だけでなく、サイト内の回遊やコンバージョン、さらにはSEOにも関係します。
本記事では、「詳しくはこちら」に頼りすぎないリンク文言の考え方と、クリックした先がひと目で伝わるアンカーテキストの作り方を紹介します。まずは、自社サイトのリンクを思い浮かべながら読み進めてみてください。
なぜ「詳しくはこちら」が多いWebサイトはわかりにくいのか?
「詳しくはこちら」が多いWebサイトがわかりにくくなる理由は、単にリンク先が想像しにくいからだけではありません。大きな問題は、ユーザーに余計な「判断」をさせてしまうことです。
たとえば、ひとつのページに「詳しくはこちら」というリンクが何度も登場していたとします。ユーザーはそのたびに、「これはサービスについて?」「料金について?」「事例について?」と、周囲の文章を読み直して意味を確認しなければなりません。本来であればリンクを見た瞬間に判断できるはずのことを、毎回考えさせてしまうわけです。
特に問題になりやすいのが、複数の選択肢が並ぶページです。たとえば3つのサービスを紹介しているのに、すべてのボタンが「詳しくはこちら」では、それぞれの違いが伝わりにくくなります。ユーザーにとってリンクは、単なる移動手段ではなく、「ここを押すと何がわかるのか」を判断する材料でもあります。
スマートフォンでは、この問題がさらに目立ちます。画面に表示できる情報量が少ないため、リンクの前後にある説明文が同時に見えないこともあります。その状態で「詳しくはこちら」だけが表示されても、何についてのリンクなのか判断しにくくなります。
また、視覚的にページを読む人だけでなく、音声読み上げなどを利用するユーザーにとっても、リンク単体で意味がわかることは重要です。「こちら」「詳しくはこちら」ばかりでは、リンクだけを確認したときに違いがわかりません。
つまり、問題なのは言葉そのものではなく、「ユーザーがリンクの意味を理解するために、周囲の情報まで確認しなければならない状態」です。わかりやすいWebサイトを作るには、できるだけリンク単体でも意味が伝わるように設計することが大切です。
リンク文言は「クリックした先に何があるか」を書こう
リンク文言を考えるときに、まず意識したいのが「クリックした先に何があるのか」をそのまま言葉にすることです。難しく考える必要はありません。「詳しくはこちら」と書いている場所を見つけたら、「何について詳しく見られるのか?」と置き換えて考えてみましょう。
たとえば、料金ページにつながるのであれば「料金を見る」、事例ページであれば「導入事例を見る」、サービス紹介ページであれば「サービス内容を見る」と書けば、ユーザーはクリックする前に行き先をイメージできます。資料ダウンロードページなら「サービス資料をダウンロードする」、問い合わせフォームなら「サービスについて問い合わせる」など、クリック後の行動まで含めて伝えるのも有効です。
ポイントは、リンクの文言だけを見ても意味が通じるようにすることです。前後の文章を読まなければ理解できないリンクよりも、それ単体で内容が伝わるリンクの方が、ユーザーは迷わず次の行動を選べます。
また、リンク先の内容と文言を一致させることも重要です。「料金を見る」と書いてあるのに、クリックすると問い合わせフォームが表示されるような設計では、ユーザーの期待を裏切ってしまいます。「無料相談を申し込む」と書いてあるなら、クリック先も申し込みページであるべきです。
Webサイトでは、リンクをクリックする前に少なからず「この先に進む価値があるか」が判断されています。そのため、リンク文言は単なる説明ではなく、次のページの予告でもあります。
「詳しくはこちら」を使いたくなったときは、「この先で何が見られるのか」「何ができるのか」を一度言葉にしてみてください。それだけでも、ユーザーにとって次の行動を選びやすいWebサイトに変わっていきます。
「見る」「知る」「確認する」だけで終わらせないリンク文言の作り方
「詳しくはこちら」を具体的な表現に変えるとき、「料金を見る」「事例を見る」「サービスを知る」といった文言にするだけでも、わかりやすさは改善します。ただ、さらに一歩踏み込むなら、「何を見るのか」「何を知るのか」まで具体的にすると、リンクの役割がより明確になります。
たとえば「料金を見る」よりも、「料金プランを比較する」「初期費用と月額料金を確認する」とした方が、クリック先にどんな情報があるのかを想像しやすくなります。同じように「導入事例を見る」でも、「製造業の導入事例を見る」「中小企業の活用事例を見る」とすれば、自分に関係がありそうかどうかを判断しやすくなります。
リンク文言を考えるときは、「名詞+動詞」だけで終わらせず、「ユーザーがそのページで何を判断できるのか」まで考えるのがコツです。たとえば「サービスを見る」ではなく「3つのサービスの違いを比較する」、「機能を確認する」ではなく「対応している機能一覧を確認する」といった具合です。
ただし、何でも長くすればよいわけではありません。説明を詰め込みすぎると、かえって読みづらくなります。大切なのは、ユーザーが次の行動を判断するために必要な情報を、短く具体的に伝えることです。
特に、複数のリンクやボタンが並ぶページでは、それぞれの役割の違いがひと目でわかる文言にすると効果的です。「料金プランを比較する」「導入事例から活用イメージを見る」「サービス資料で詳しい機能を確認する」のように役割を分ければ、ユーザーは自分の目的に合ったリンクを選びやすくなります。
リンク文言は、単に「押してもらうための言葉」ではありません。ユーザーが次に何をすべきか判断するための案内です。「何があるか」だけでなく、「そこで何がわかるか」まで意識すると、より親切で使いやすいWebサイトになります。
CTAボタンも同じ。「お問い合わせ」だけが正解ではない
リンク文言の考え方は、テキストリンクだけでなくCTAボタンにもそのまま当てはまります。企業サイトでは、「お問い合わせ」「資料請求」といった定番のボタンがよく使われています。もちろん、これらの表現が間違っているわけではありません。ただ、ユーザーにとって「押したあとに何が起こるのか」がより具体的に伝わる文言にした方が、行動を選びやすくなる場合があります。
たとえば「お問い合わせ」というボタンだけでは、何について相談できるのか、どの程度気軽に連絡してよいのかがわかりません。「料金について相談する」「自社に合うプランを相談する」「導入について相談する」とすれば、問い合わせの目的が明確になります。
資料請求も同じです。「資料請求」より「サービス資料をダウンロードする」「料金表をダウンロードする」「導入事例集を受け取る」とした方が、手に入るものが具体的です。ユーザーは「このボタンを押す価値があるか」を判断しやすくなります。
特にBtoBサイトでは、問い合わせのハードルが高く感じられることがあります。「お問い合わせ」という言葉を見るだけで、「営業されそう」「まだ相談する段階ではない」と離脱するユーザーもいるかもしれません。その場合、「まずはサービスについて相談する」「課題について無料で相談する」など、実際の対応内容に合わせて表現を調整する方法もあります。
大切なのは、格好のよい言葉を考えることではなく、ボタンを押した後の行動を正確に伝えることです。CTAはコンバージョンを生むための重要な場所だからこそ、「とりあえずお問い合わせ」にせず、ユーザーが安心して次の一歩を選べる文言になっているかを見直してみましょう。
わかりやすいアンカーテキストはSEOにもプラスになる
わかりやすいアンカーテキストは、ユーザーにとって親切なだけでなく、SEOの面でもプラスに働きます。検索エンジンは、ページの本文だけでなく、どのページからどのページへ、どのような言葉でリンクされているかも参考にしながら、サイト内の構造や各ページの内容を理解します。
たとえば「詳しくはこちら」というリンクでは、リンク先が料金ページなのか、導入事例なのか、サービス紹介なのかが文言だけではわかりません。一方、「料金プランを見る」「導入事例を見る」「BtoBマーケティング支援サービスの詳細を見る」と書かれていれば、リンク先がどのようなページなのかを伝えやすくなります。
特に自社サイト内の内部リンクでは、アンカーテキストを具体的にすることで、関連するページ同士のつながりも整理しやすくなります。たとえば、コラム記事の中からサービスページへリンクする場合も、「サービスはこちら」より「Web広告運用支援サービスを見る」の方が、ユーザーにも検索エンジンにもリンク先の内容が伝わりやすいでしょう。
ただし、SEOを意識するあまり、無理に検索キーワードを詰め込む必要はありません。「東京 BtoB マーケティング 支援 会社 サービスを見る」のような不自然な文言では、当然ですが読みづらくなります。同じキーワードをすべてのリンクで機械的に繰り返す必要もありません。
基本は、これまで紹介してきた「ユーザーがクリック先を想像できる文言」にすることです。その結果として、検索エンジンにもページ同士の関係が伝わりやすくなります。SEOのために特別な言葉を作るのではなく、ユーザーにとってわかりやすいリンクを作ることが、SEOにもつながると考えるとよいでしょう。
リンク文言は「小さな案内板」と考えよう
Webサイトのリンク文言は、ほんの数文字から十数文字程度の小さな要素です。そのため、サイト制作や改善の際にも、デザインやコンテンツほど重視されないことがあります。しかし実際には、リンク文言はユーザーに「次にどこへ進めばいいのか」を伝える、小さな案内板のような役割を持っています。
「詳しくはこちら」「こちらをクリック」と書かれているだけでは、その先に何があるのかをユーザーが考えなければなりません。一方で、「料金プランを見る」「導入事例を見る」「サービス資料をダウンロードする」と書かれていれば、クリックする前に次の行動をイメージできます。さらに、「製造業の導入事例を見る」「料金プランを比較する」と一歩具体的にすれば、自分に必要な情報かどうかも判断しやすくなります。
これはCTAボタンでも同じです。「お問い合わせ」とだけ書くのではなく、「料金について相談する」「導入について相談する」など、行動の内容を具体的にすることで、ユーザーの迷いを減らせます。
また、具体的なアンカーテキストは、検索エンジンがリンク先の内容やページ同士の関係を理解する手がかりにもなります。SEOだけを目的に不自然なキーワードを詰め込む必要はありませんが、「ユーザーにとってわかりやすいリンク」を意識することは、結果としてSEOにもつながります。
まずは自社サイトを見ながら、「詳しくはこちら」「もっと見る」「こちら」といったリンクを探してみてください。そして、「このリンクだけを見ても、クリック先がわかるだろうか?」と確認してみましょう。小さな文言の見直しでも、積み重ねることで、迷いにくく使いやすいWebサイトに変わっていきます!

