3,200人が熱狂!日本最大級のSEOイベント「Japan SEO Conference 2025」参加レポート

ウェブ解析士協会は、2025年7月に開催された「Japan SEO Conference 2025」を後援いたしました。本イベントは、SEOだけにテーマを絞った日本初のイベント。SEOに精通した豪華著名人が登壇することもあり、申込者数はなんと3,200人超と、大変注目度の高いイベントとなりました。

主催の(株)Faber Companyは、SEOツール「ミエルカSEO」を開発しているツールベンダーで、当協会の理事も務める小川卓氏が顧問として参加をしているというつながりもあり、今回、関東支部長の根津がイベントへ参加してまいりました。 本レポートでは、私がイベントを通して感じたこと、学んだことなどをお伝えしていきます。

当日のイベントの様子はこちらから。

目次

■各セッションレポート

Opening Keynote
AIと共に進化するSEO 生成AI時代の情報探索と購買ジャーニー最適化

  •  SEO研究チャンネル 平 大志郎 氏
  •  (株)JADE 長山 一石 氏
  •  (株)Faber Company/moderator 鈴木 謙一 氏

「AI vs 検索」について、そもそもこれは正しい対立軸なのか? Googleが目指している方向性は? などの議論が展開され、これからのSEOを考える上で、本質的な考えが得られるオープニングとなりました。

特に、認知・興味・比較・購買のステップの中において「比較」の領域で検索は強く、これまでの会話を覚えていてくれるので、最適な提案をしてくれるところもポイント。

実際に、情報収集型の検索では影響は大きく、購買系カテゴリにも影響が出ている一方、問題解決型の検索においては詳細を調べる行動が発生するため影響はないとのこと。

最後にAIOを意識したサイト作りではなく、エンティティ認識の強化をして、AIの第一想起になるために「基本的なブランドづくり、マーケティングを行っていく」ことが重要というまとめとなりました。

Session 01「テクニカルSEO」
AI時代も無くならない⁈ 大規模・DB型サイトのプロが語るリアルなテクニカルSEO

  •  FIFTYEIGHT,LLC 吉野 五十也 氏
  •  アユダンテ(株) コガン・ポリーナ 氏
  •  (株)HAKUHODO DY ONE 登 章良 氏
  •  (株)Faber Company /moderator 小丸 広海 氏

経験豊富な3名がそれぞれの実経験を語る本セッション。

DB型サイトでは「Google botの特徴」を把握しておくことが大事、とコガン氏。サイト設計時に意識しておきたいポイントについて事例を交えつつお話しくださいました。

また、商品の在庫数とSEOの評価の相関関係についても話はおよび、在庫数が増えれば当然SEOの評価も上がるが無限スクロールのせいでインデックスされなくなっているサイトがある、など登壇者のみなさんの経験に基づく事例や情報共有が多くされたセッションとなりました。 

Session 02 「UI/UX・アクセス解析」
よりよいユーザー体験を提供するために~どう計測し、改善していくのか、UXと解析の未来~

  •  (同)DMM.com 河西 紀明 氏
  •  (株)JADE 村山 佑介 氏
  •  (株)Faber Company 小川 卓 氏
  •  (株)Faber Company/moderator 市川 莉緒 氏

まずは、UXピラミッドについてのお話がありました。まず前提として、サイトとして「利用できる」こと。続いて「安心できる」こと。その上に「満足できる」こと。という構図があり、ベースの「利用できる」ようにするためにSEOが重要であるといいます。

サイト内の計測、改善においてはサムネイルや再入荷通知希望のボタンクリック、詳細ページの滞在時間、読了などあらかじめチェックすべきポイントをあらかじめ仕掛けておくことが重要。これらの意思決定はまだまだ人の仕事であって、ゴール設計や試作設計、判断はAIがまだできない領域なので人の手を介して解析、改善を行っていく必要があるとのことでした。この、「あらかじめ仕掛ける」はウェブ解析士にとっては心に刻んでおきたいポイントのひとつだなと思いながら視聴していました。

Session 03 「コンテンツ」
生成AI活用でSEOにも強い「良質なコンテンツ」を作る方法

  • (株)カインズ 与那覇 一史 氏
  • (株)ウェブライダー 松尾 茂起 氏
  •  ナイル(株) 森 茂穂 氏
  • (株)A-can/moderator 白浜 ゆき子 氏

自身でコンテンツ生成を行っている三社がそれぞれのコンテンツ作りの手法や考え方についてお話くださいました。

――登壇者それぞれが思い描くコンテンツとは……?

与那覇氏「書き手と読み手が『好き』に没頭する」

松尾氏「価値の架け橋」

森氏「その人の人生をちょっと良くしてくれる」

三者それぞれの、生成AIの活用方法についての話にも広がりました。コンテンツ生成における生成AIの活用状況や、各生成AIの使い分け、画像生成の使い方など。また、表側のコンテンツ作りのための生成AI活用だけではなく、「検索エンジンにもわかりやすい言い回しについて聞いてみる」など、すぐにでも使えそうなTipsネタもたくさん出てきました。

そして、AIO。影響はあるが、悩みの深いコンテンツについての検索需要は変わらず。ただ、一方でセッション自体は下がるので目標として重きを置かないことが重要であるとの見解は、コンテンツ生成にかかわる人だけに限らずメディアのオーナーにも理解してもらいたい部分だと感じました。

Closing Keynote

  • (同)DMM.com 渡辺 隆広 氏
  • (株)サイバーエージェント 木村 賢 氏
  •  ナイル(株) 土井 健太郎 氏
  • (株)Faber Company 辻 正浩 氏
  • (株)インプレス/moderator 安田 英久 氏

ファシリテーターに、(株)インプレスの安田 英久 氏を迎え、話した内容はSNS投稿完全NG‼ な Closing keynote。リアル会場だからこそ聞ける本音の数々が飛び交いました。事前に集めた参加者質問に回答していくかたちで展開。登壇者間の関係性もあり、それぞれの掛け合いも含めて笑いの絶えない1時間となりました。

■登壇者コメント

イベント終了後の懇親会では、WACA理事 井水大輔 氏による登壇者突撃インタビューを決行。当日の感想を中心に、SEO業界への思いをお話してくださいました。

(同)DMM.com 渡辺 隆広 氏


「SEOは嫌われがちだけど、今日みたいにSEO好きな人が集まる機会がもっと増えるといいですね。」

――SEO業界に向いている人は?

  • 好奇心がある人
  • ゲーム好きのように、攻略法を見つけるのが好きな人
  • 純粋にインターネットが好きな人

(株)サイバーエージェント 木村 賢 氏

2002年頃にあった業界最大のSEOイベント『SES』以来の規模ですね。当時はオタク(専門家)のものだったSEOが、今では一般層にも広がったと感じます。お互いの守備範囲も広がっているので、うまくカバーし合えると良いですね。

(株)Faber Company 小川 卓 氏

オフラインのイベントは楽しい!直接のやり取りができるのがいいですね。

イベントへの登壇はモチベーションにもつながるし、一方通行じゃない。ウェブ解析について話したが、やはりどんなデータを取得するかを考えるところからが分析。ただただ、データを取ればいいわけではなく、選択をしてどうすればいいかを伝えることに今後の解析領域の価値があります。

(株)JADE 長山 一石 氏

生成AIの登場以前からあるトレンドですが、SEOについての考えを新たにすることが求められています。特定のキーワードで何位か、には大きな意味がなくなってきました。最終的にCVに貢献しているのか、回遊が発生しているのかをきちんと追うことが重要です。新しい世代のスピーカーの登場にも期待しています。

本イベントは登壇者だけに限らず、来場者も豪華。ということで、イベント会場にいらしていた某外資系企業、松谷氏と加納氏にもイベントの感想をお伺いしてみました。

松谷 昌俊 氏

今日のセッションを楽しみにしていました。特に、今日ご登壇されるみなさんがSEOについてどのような視点でお話されるのか、興味があったので参加できてよかったです。

加納 宏徳 氏

SEOは社内のいろんなセクションの人と進めないといけない。記事を書いているだけではなく、いろいろな活動がSEOにつながると感じています。

限られた時間の中で、話が聞けなかった登壇者の方も多くいましたが、みなさんそれぞれにSEOに対する思いを熱く語ってくださり改めて熱量の高いイベントだと感じられました。

SEOはウェブ解析の領域においても、切っても切れない存在。ウェブ解析士協会では、今後も各方面のスペシャリストの方々とのつながりの機会を持ちながら、会員のみなさまに情報アップデートの機会を多く作っていけるよう協賛活動を続けてまいります。

■イベント概要

Japan SEO Conference SEO・GEOの今とこれから

2025年7月17日(木)13:00~20:00

主催:株式会社Faber Company

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

WACA関東支部長。デジタル広告からリアルイベントまで幅広くプロモーション支援。特に業務アウトソーシング(BPO)な株式会社アクセスプログレス 執行役員。担当領域はウェブマーケティング支援。元営業、紙メディア編集の経験から俯瞰のコミュニケーション設計が得意です。

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