はじめまして。ウェブ解析士1年生の高橋克典です。
今日は『自社サイトをコストで終わらせないために〜ウェブ解析士の事例発表集(33)』のブックレビューをお届けします。
このシリーズは延べ1,000名を超える方々にご参加いただいているウェブ解析士による勉強会「自社サイトをコストで終わらせないために」での発表を編集したものです。今回は2020年5月23日にオンラインで開催されたBtoB企業向けの内容です。
電子書籍化に合わせて、各講師が加筆・リライトしていますので、勉強会未参加の方はもちろん、参加された方も振り返りに活用いただける内容になっています。是非お手に取っていただければ幸いです。
なお、このレビューでは各講師の内容を一部転載してお送りします。
※転載に関しては、著者の許諾をいただいています。
「BtoB事業者が今知るべき新規顧客開拓のためのSEO対策&集客術」
(田中十升氏)
フリーランスのウェブ解析士である田中さんが、独立してから新規顧客開拓をどのようにされたかをご自身の体験を通じて発表しました。私も同じ立場なので、ホームページ作成から展示会出展、セミナー集客とリアルな事例紹介に(なるほど…)と納得しながら読み込んでしまいました。
田中十升さんのテーマは以下の通りです。
- 1.1 自己紹介
- 1.2 はじめに
- 1.3 ホームページ作成編
- 1.4 展示会出展編
- 1.4.1 チラシ作成で意識したポイント
- 1.4.2 展示会での接客について
- 1.4.3 結果は?
- 1.4.4 後日談
- 1.5 セミナー開催編
- 1.5.1 ペルソナについて
- 1.5.2 セミナーの案内ページへどう集客するか?
- 1.5.3 集まった受講者は?
- 1.6 コロナ禍で変化する検索キーワードにどう対応するか?
- 1.7 最後に、ウェブ解析士の資格取得を検討される方へ
今回は田中さん自身が大きく気付きを得たという「1.3 ホームページ作成編」の最初の一部をご紹介します。
(一部転載)1.3 ホームページ作成編
事業を開始するにあたってまずホームページを作成しました。いろいろ調査した結果、独自ドメインにはせずに、ペライチというツールを使ってホームページを作ることにしました。
それは、なぜかと言いますと、検索エンジンに非常に強いため、本当に上がるのか試してみたいというのがありました。実際に、検索結果にペライチのページがあるのを見かけることが結構あります。
あと、ペライチはテンプレートに沿って画像やテキストをはめ込むだけで、体裁の整った訴求力の高いページが簡単に作れるというのも魅力でした。
私がターゲットにしたキーワードは、「リスティング広告 大阪」というキーワードです。リスティング広告の業者は、SEO対策も提供していることが多いので、SEO業者同士の競合で、難易度が高いと思われます。ですが、ペライチを使えばいい勝負ができるのではないかと考えておりました。
結果から言いますと、2019年8月には最高位2位まで順位を上げることができました。順位の経過は下記の通りです。
順位が2位まで上がった際には、大手代理店様からお問い合わせがあり会社へ訪問して商談しました。人手が不足しているので、外注先を探しているとのことでした。結果的には、条件面が折り合わずご辞退という形になりました。
その後8月下旬以降、ホームページの順位は、10位以下に下落してしまいます。それでも12月には大手不動産会社様から問い合わせをいただくことがありました。事務所に来ていただいて商談しましたが、その時点で他3社と商談したとのことでした。順位が10位以下でしたので、上から順番に問い合わせても10社以上になります。でもなぜ問い合わせしていただいたか聞いてみましたところ、マンガがわかりやすくて良かったと評価をいただきました。
私の学生時代(1980~90年代)の話になりますが、幼小中高向け大手通信教育会社でも、ダイレクトメールでマンガを用いて講座を訴求するという手法が取られていました。例えば、クラブ活動をしながらでも無理なく学習を進められ志望校に合格したなどというストーリー。
マンガを使うと、訴求力が高まりますので、ぜひ活用してみてください。
次に、順位が上げることができた要因について考察してみます。結論から言いますと次の3つの要素が大きいと考えています。
(転載ここまで)
田中さんの実体験に基づいているので、ウェブ解析士の資格を活かして事業をスタートする際の「はじめの一歩」のヒントにもなりますね。新規顧客開拓のプロセスを追体験できる事例なので、これからウェブ解析士を取得されようと思っている方に是非お読みいただきたいです。
また、『WEB業界15年、受注力・集客力を強化するWEBマーケッター!』として、
- 幅広い業界経験から得たユーザー心理の考察力
- 確実にコンバージョンに結びつけるキーワード選び
- エンドユーザーの購買意欲をき立てる広告文づくり
を得意分野にされているので、ECサイトの悩み事などがあれば田中さんに相談されてみてはいかがでしょうか。
アフターコロナを見据えるウェブ解析を活用した採用戦略
(稲葉修久氏)
稲葉さんはウェブコンサルティング事業と人材紹介事業を行う会社を経営しており、ウェブ解析士マスターとして数多くの講義・セミナーを行っています。今回は顧客企業からの「ウェブをもっと人材の採用に活用できないか」という相談から「採用戦略の見直しのポイント」について発表しました。
稲葉修久さんのテーマは以下の通りです。
- 2.1 自己紹介
- 2.2 はじめに
- 2.3 採用戦略の見直しのポイント
- 2.4 集める
- 2.5 「求人専用の検索エンジン」
- 2.6 自社の採用サイト作成がおすすめ
- 2.6.1 求職者の行動
- 2.6.2 情報掲載の自由度
- 2.6.3 ミスマッチが減る
- 2.7 知ってもらう
- 2.7.1 2つのポイントを意識しましょう。
- 2.8 新しい取り組み
- 2.8.1「採用動画」
- 2.8.2 「オンライン面談」
- 2.9 検証する
- 2.10 ゴールを定める
- 2.11 基本項目
- 2.11.1 「ユーザー」
- 2.11.2 「集客」
- 2.11.3 「行動」
- 2.11.4 「コンバージョン」
- 2.12 もっと活用するため
- 2.12.1 「セグメント」
- 2.12.2 「ユーザーエクスプローラ」
- 2.13 検証で大切なこと
- 2.14 まとめ
ボリュームが大きいように見えますが、ひとつひとつは短くかつステップアップ形式なので実際にどのようなアクションをすべきかがわかりやすく理解できます。
ここではこの発表の前提となる「2.3 採用戦略の見直しのポイント」と「2.4 集める」をご紹介します。
(一部転載)2.3 採用戦略の見直しのポイント
「集める」
誰もが知っている企業や、採用活動に多くの費用をかけることができる企業であれば、さほどここに悩む必要はありません。しかし、多くの人材採用で困っている中小企業はまず「仕事を探している人」を集める事が必要です。
「知ってもらう」
冒頭で説明した現状から、仕事を探している人が「仕事を選べる」という状態です。さらに、今はインターネットを使い多くの情報を簡単に集めることができてしまう時代でもあります。
「検証する」
求職者に、その企業で働いている姿を具体的にイメージした上で、「他の会社ではなくて、ここで働いてみたい」と思ってもらう必要があります。そのためには、自社をしっかり知ってもらう必要があります。
以降の章で、それぞれをもう少し詳しく見ていきたいと思います。
(一部転載)2.4 集める
我々は今、モノを買う、サービスを申し込む際に、いろいろな手段を使って情報を集めます。
採用においても、求職者はいろいろな手段を使って求人情報を集めますので、企業側は自社にあった最適な手段を見つけ情報を提供し、求職者に見つけてもらわないといけません。
まずは全体像を見ていきましょう。
自社の求人情報そのものを知ってもらう手段はどういったものがあるかを簡単にまとめました。
(左上)検索・検索での広告
(右上)SNS・SNSでの広告
(左下)求人情報に特化した検索エンジン(Google for jobs は日本ではGoogleしごと検索と呼ばれています)
(右下)ハローワーク、学校、従業員の紹介、説明会、大手求人媒体
他にも、人材紹介の会社からの紹介もあります。
人材採用において、有料、無料、オンライン・オフライン多くの手段があることがわかります。
多くの手段がある中で、我々は「自社が求人募集しています」ということを知ってもらわないといけません。
でも、自社にあった「集める手段」を選ばないと、当然応募は来ません。
ここではさらに中小企業の人材採用でよく利用される、特徴のある3つの手段をご紹介します。
(転載ここまで)
どうでしょう?特に採用に関わる方は続きが読みたくなったのではないでしょうか?これから採用に着手する方はこの流れを参考に、既に採用を行っている人は採用戦略の見直しのヒントになる事例発表なので、是非お読みください!
アフターコロナを見据えるとこれまでの採用戦略の見直しは必須です。豊富な経験で求職側の心理を理解した稲葉さんならではのノウハウが満載の発表でした。採用戦略の見直しを検討されている方はこの発表をお読みいただいて、稲葉さんに相談されてはいかがでしょうか。
おわりに
今回のウェブ解析士の事例集も読み応え満点でした!「目で聞いて、学べる」このシリーズはBtoBはもちろん、あらゆるビジネスシーンのヒントが詰まっていると感じます。
一冊480円、しかも Kindle Unlimited 会員なら無料(!)で読めてしまう大盤振る舞いのこのシリーズ。ウェブ解析士ではない方もウェブ解析士の仕事がどのようなものなのかを学べる良い教材だと改めて思いました。
これから開催されるオンラインのセミナーにも是非参加してみたいと思います!
自社サイトをコストで終わらせないために
ウェブ解析士の事例発表集(33)
田中 十升(ウェブ解析士)
稲葉 修久(ウェブ解析士マスター)
監修 ウェブ解析士協会
発行 亀井 耕二(ウェブ解析士協会 理事)
Amazon のKindleUnlimited なら無料で読めます。
自社サイトをコストで終わらせないために ウェブ解析士の事例発表集(33)