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「SNSのネタがない」は思い込み!プロが実践するネタ出し3つの型
投稿日:2026年3月31日SNSの沼ラジオ

「SNSを更新したいけれど、投稿するネタがまったく見つかりません。どうすれば毎日続けられますか?」
これは、SNS運用の現場で繰り返し寄せられる質問です。企業の担当者や個人事業主にとって、ネタ切れは発信活動を阻む最大の壁となります。
一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)がお届けするポッドキャスト「SNSの沼ラジオ」の第11回では、多くの運用者が直面する「ネタ切れ」の悩みを解消する実践的なアイデアや、トレンドと自社らしさの付き合い方について、具体的な実体験を交えながら本音で語り合いました。
音声本編はこちらから聴けます。
▶ 第11回_「SNSのネタがない」は思い込み!プロが実践するネタ出しの型
投稿ネタがないと感じるのは、SNSを単なる「広告ツール」だと思い込んでいることが大きな原因です。
ネタ切れを防ぐためには、投稿テーマをカテゴリー化して「型」に落とし込むこと、そして自社ホームページの「沿革」などに眠る歴史や背景を活用することが有効です。また、トレンドに乗る際も自社の軸をブラさず目的を明確にすることで、ブランドイメージを損なわずに新規ユーザーへアプローチできます。
この記事を書いた人(「SNSの沼ラジオ」メンバー)
- 伊藤雅恵(チーフSNSマネージャー/X担当)
- 中野彩子(上級SNSマネージャー/LinkedIn担当)
- 川﨑亜紀子(上級SNSマネージャー/X担当)
- 毛利美佳(チーフSNSマネージャー/Instagram担当)
SNSが「広告ツール」という思い込みがネタ切れを招く
SNS運用で最も難しいテーマとして「継続」に次いで同率2位となったのが「ネタ作り」です。しかし、多くの人が「投稿するネタがない」と頭を抱えてしまう背景には、共通する思い込みがあるとメンバーは指摘します。
それは、SNSを単なる「広告ツール」だと思い込んでしまっている点です。
広告ツールだと思い込んでいると、イベントがある時やオープンキャンパスを実施したい時など、宣伝のタイミングにしかネタの視点が向かなくなってしまいます。
そう語るメンバーの一人が指摘するように、広告ツールとしての発信だけに限定してしまうと、紹介するイベントや新商品がない時には発信内容が完全になくなってしまいます。それ以外の日常の工夫や自社のこだわりといった、ユーザーが本当に興味を持つかもしれない魅力的なネタが、すべて視野から外れて見えなくなってしまうのです。
ネタ切れから脱出するための第一歩は、宣伝・告知の場という狭いバイアスを外し、ユーザーとのコミュニケーションの場としてアカウントを再定義することから始まります。
投稿テーマの「カテゴリー化」と「型」で迷わない状態を作る
毎日投稿を継続しているプロは、決してその日の気分でゼロから文章を考えているわけではありません。
Instagram担当の毛利美佳・チーフSNSマネージャーは、3月20日の自身のX投稿を振り返りながら、継続するためのアプローチを説明します。SNSを3カ月でやめる人と続く人の違いは、続く人が「投稿に迷わない状態」を最初に作っている点にあり、その解決策として「型」を作ることをおすすめしています。
毛利は、SNSマネージャーの上級講座で課題として用意されている運用企画書の項目をもとに、開始段階で2週間程度の投稿テーマ(カテゴリー)を決めておくことを推奨しています。
例えば、毛利自身のアカウントであれば「SNS運用」「仕事術」「ワーママ」といった具体的なテーマにあらかじめ絞り込んでいます。これにより、テーマに関係のない政治やスポーツなどの話題への脱線を防ぎ、周囲のユーザーから「何のアカウントなのか」をひと目で理解してもらえるブレない土台を作ることができます。
さらに、投稿を迷わず発信するために「型(フォーマット)」に落とし込むことも極めて有効です。毛利が夕方に発信している「SNSブレスト」という投稿企画では、あらかじめ「条件設定→問題提示→選択肢の提示→リポストの呼びかけ」という構成の型が完全に決まっています。
型が決まっていれば、あとは中身を入れ替えるだけで作成できるため、毎回ゼロから悩む必要がなくなります。都度SNSを開いて「今日は何を書こうか」と悩む運用スタイルは挫折の元です。あらかじめテーマをカテゴリー化し、記述の型にはめ込む仕組みを作っておくことが、プロが実践する迷わない工夫です。
会社の「沿革」は宝の山!ストーリーを切り出してドラマを届ける
それでも日々発信するカテゴリーの具体的な中身が見つからないという企業担当者に向けて、LinkedIn担当の中野彩子・上級SNSマネージャーは、実践的なネタ出しのアイデアを提案しています。
中野は、会社のホームページにある「沿革」や「会社概要」のページはネタの宝庫であり、眠らせておくのは非常にもったいないと語ります。多くのユーザーは普段わざわざ沿革ページを自主的に見に行きませんが、そこからストーリーを切り出してSNSで紹介すれば、魅力的なコンテンツに生まれ変わります。
実際、中野が以前に関わった長野県にある100年以上の歴史を持つ医療機器販売会社(BtoB企業)では、それまでSNSを一切活用していませんでした。しかしホームページの沿革を確認すると、100年前に創業者がどういう思いで会社を立ち上げ、どのような歩みをしてきたのかが熱く美しい文章で綴られていました。
このような創業者や企業のバックストーリー、あるいは「社長が倒れて明日までに銀行へ提出する書類が必要になり、脳の手術をした直後の震える手でサインを書き上げた」といった生々しい歴史のドラマは、読み手にとって非常に興味深く、企業のファン作りに直結します。
自分たちにとっては当たり前に思える自社の歴史や設立時のエピソードこそ、発信すべき最大の強みであり、切り出し方次第で無限の投稿ネタに化ける宝の山です。
トレンド vs 自社らしさ!安易な便乗を避けて「軸」でアレンジする
番組後半のQ&Aコーナーでは、多くの運用者がぶつかる「トレンドに乗っかるべきか、自社らしさを貫くべきか」という疑問について、メンバーそれぞれの視点から活発な意見が交わされました。
X担当の川﨑亜紀子・上級SNSマネージャーは、Xにおけるトレンドワードへの便乗について、大きめのニュースや天候関係、地震のような気象情報など「本当に今知りたい情報」を発信するとインプレッションが飛躍的に伸びると分析します。
しかし川﨑は、それだけでアカウントの目的が達成されるのかを冷静に見極める必要があると指摘します。ただ認知を広げたいだけなのか、それとも本来の運用目的に合致しているのかを整理しなければ、単なる流行りもの発信アカウントになってしまいます。
さらに毛利は、過去に自社アカウントがバズった際の実体験から、バズを追い求めることの盲点を語りました。バズった瞬間は非常に嬉しいものの、その後にフォロワーの増減を検証してみるとまったく増えておらず、「無理にバズを狙わなくても良いのでは」と実感した経験を明かしています。安易な便乗は表示回数こそ一時的に稼げるものの、アカウントへの親密度や本質的なファン獲得には直結しないケースが多々あります。
ただし、トレンドを「自社のテーマに引き寄せてアレンジする」方法であれば、新規ユーザーとの出会いに非常に効果的です。
かつてInstagramで流行した「できない人とできる人の対比」のリール動画(左右で異なる行動を比較する見せ方)に、SNSマネージャーのアカウントで乗っかった事例が共有されました。この際、「SNSマネージャーとそうじゃない人」「SNS運用が成功する人と上手くいかない人」という自社の専門性に特化した切り口へアレンジして投稿したところ、通常の投稿よりも大きくリーチを伸ばすことに成功しました。
トレンドを自社の「軸」にしっかり引き寄せて活用するための考え方は、以下の通りです。
トレンドと自社らしさに対するSNSマネージャーのスタンス
| 担当者 | 基本的なスタンス | 具体的なアプローチ・実践例 |
|---|---|---|
| 川﨑亜紀子 | 目的から逆算して判断 | 新機能や気象情報など「今知りたい情報」は伸びやすいが、本来の運用目的に合致しているかを重視する。 |
| 毛利美佳 | 自社テーマに引き寄せて乗る | 単なる流行便乗ではファン化しない。流行のリール企画を「SNS運用の成功例・失敗例」として自社風にアレンジしリーチを獲得する。 |
| 中野彩子 | 自社らしさを最優先に貫く | 基本は自社らしさを貫く。「必死に乗っている」と冷ややかに見る層がいることも意識し、慎重に見極める。 |
| 伊藤雅恵 | 運用の目的を重視する | トレンド便乗の是非は、そもそもアカウントの「運用目的」が認知なのかファン化なのかによって180度異なる。 |
むやみにトレンドを追いかけてブランドイメージを損なったり、炎上を招いたりするリスクを避けつつ、自社の専門領域に当てはめられる流行があれば、うまく新規開拓のチャンスとして取り入れていくのが賢い付き合い方です。
まとめ
投稿ネタ切れに悩んだときは、SNSを「広告・宣伝ツール」と捉えるバイアスを外し、発信テーマを「カテゴリー化」して定型の「型」に落とし込むことが大切です。
また、会社のホームページにある「沿革」や歴史という眠っているストーリーに光を当てることで、他社には真似できない魅力的なネタを継続的に生み出すことができます。トレンドに乗る際も自社の軸をブラさず、目的を第一に考えて賢くアレンジしていきましょう。
こうしたSNS運用の考え方や実践的なノウハウは、WACAの「SNSマネージャー養成講座」で体系的に学べます。企業のSNS担当者として確かなスキルを身につけたい方は、ぜひ詳細をご覧ください。
ポッドキャスト「SNSの沼ラジオ」について
「SNSの沼ラジオ」は、SNSマネージャーの4人がSNS運用のリアルを語るポッドキャストです。放送時間は1回15分程度ですので、通勤中やランチタイムにもぜひお聴きください。
出演メンバー(中の人紹介)
- 伊藤雅恵(チーフSNSマネージャー/X担当):@OzAdviser
- 中野彩子(上級SNSマネージャー/LinkedIn担当):LinkedInプロフィール
- 川﨑亜紀子(上級SNSマネージャー/X担当):@Design_Seed
- 毛利美佳(チーフSNSマネージャー/Instagram担当):@LaboPixel
