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営業しなくてもSNSから仕事は来る?AI投稿に人間らしさを残すコツ

投稿日:2026年7月7日

企業のSNS担当者がAIを駆使しながらも、人間らしさを出す工夫をしている様子

「SNSで発信を続けていれば、本当に仕事につながるの?」——SNS運用の現場で繰り返し寄せられる質問です。ウェブ解析士協会(WACA)のSNSマネージャー4人が本音で語るポッドキャスト「SNSの沼ラジオ」。七夕の7月7日に配信された第25回では、発信が実際に講座受講や仕事の依頼につながった実例と、SNS Q&Aコーナーで「AIで作った投稿に人間らしさを残すコツ」を取り上げました。

音声本編はこちらから聞けます。 ▶ 第25回 日々の発信が仕事に繋がる!?&AI投稿に「人間らしさ」を残すコツ

結論を先にお伝えします。「仕事をください」と直接言わなくても、日々の発信から人柄や仕事への向き合い方が伝われば、見ているだけの人が「ここ」というタイミングで行動に移してくれる——それが4人の実感です。AI投稿のコツは二つで、「自分の辞書にない言葉を使わない」こと、そして「自分の体験や思いをAIに語りかけて対話を重ねる」ことです。

この記事を書いた人(「SNSの沼ラジオ」メンバー)

  • 伊藤雅恵(チーフSNSマネージャー/X担当)
  • 中野彩子(上級SNSマネージャー/LinkedIn担当)
  • 川﨑亜紀子(上級SNSマネージャー/X担当)
  • 毛利美佳(チーフSNSマネージャー/Instagram担当)

「講座を受けるならこの人と決めていました」——面識ゼロから受講へ

今回の話題のきっかけは、毛利がX(旧Twitter)で見かけた、初級SNSマネージャー養成講座の受講生・Sさんの投稿でした。「ある時Xで毛利さんのSNSブレストに出会い、興味を持ち、何度か投稿を見かけた後にフォローするようになり、やがてこの方からSNSを学んでみたいと思うように」——面識のないまま昨年から「講座を受けるなら毛利さんと」決めていて、日程が合わずようやく受講できた、という内容です。

印象的なのは、Sさんが日頃から毛利の投稿にコメントをくれていたわけではまったくなく、講座当日の自己紹介タイムで初めて「実は私……」と明かされたこと。毛利はこれを「物言わぬ購入者」という言葉になぞらえ、SNS上では何のアクションもしなくても必ず見てくれている人がいて、心とタイミングが合ったときに行動に移してくれることを改めて実感したと語りました。

「いやはや、まるでSNSマーケティングのお手本のような流れですよね」と、上級SNSマネージャー・川﨑亜紀子さん。Xで投稿に出会う、なんか気になる、また見かける、興味が湧く、フォローする、この人の話をもっと聞きたくなる、最終的に「この方から学びたい」になる——「日々の投稿がじわじわ効いてきている」流れだと整理し、受講後に感想まで投稿してくれたことを含めて「SNSで仕事を取ろうとしている全ての人に参考にしてもらいたい」と話しています。

「仕事をください」と言わなくても依頼が来る理由

チーフSNSマネージャー・伊藤雅恵さんにも同様の経験があります。SNSマネージャーの仕事もウェブサイト制作やSNSの相談も、「なんでか知らんけど」料理の投稿ばかりしているFacebookからよく入ってくるのだそうです。「仕事してくださいって言っているわけじゃないのに、こうやってご依頼をいただける。日々やっていてよかったなと思います」。直接の売り込みがなくても、投稿から人柄が伝わっているのではないか、というのが伊藤さんの見立てです。

毛利も先日、ウェブ解析士協会の勉強会に登壇し、ある中小企業のウェブサイトリニューアルを受けることになった経緯を話しました。きっかけはまさにSNSのつながり。リアルで出会った方とSNSでつながり続けるうちに、「あの人はアクセス解析ができるらしい」「企業にウェブサイトの改善提案をしているぞ」と知ってもらい、担当者を紹介してくださる方が現れたのです。その勉強会の参加者からは「日頃の発信を見ていても単なる宣伝じゃなくて、仕事に対する誠実さや人とのご縁を大切にされている姿勢が伝わっているように感じます」という言葉をもらったといいます。具体的な実績を並べていたわけではなく、どんな仕事をしているか、どんな思いでお客様と向き合っているかの積み重ねが自然と信頼につながった形です。

上級SNSマネージャー・中野彩子さんは、日頃さまざまな発信を冷静に観察する立場から補足します。Xには「お仕事をちょうだいとは言っていないけれど、こんな仕事をやっていくら稼いだ」という、いわゆるオラオラ系のポストが多く、それらがインプレッションを稼ぐ一方で、誠実に仕事をしている人もきちんと目立ってくる。それは、そういう人を求めているクライアントがいるからだ——という分析です。毛利や伊藤さんの発信は「一緒に静かに仕事をしていきたい方」と出会わせてくれる言葉遣いになっているのではないか、と語りました。番組内ではさらに、お客様の側が「この人とやりたい」と決めた上で問い合わせてくれる、規模感が合わず「私でいいんですか」と聞き返すと「いいからいいから」と言われる、というエピソードも飛び出しています。

なお、SNSが普段いかにクライアントに見られているかという「ヒヤリハット」を含む話は、SNSマネージャー養成講座の公式YouTubeで森和吉チーフが語っている回もあります。あわせてチェックしてみてください。

【SNS Q&A】AIで作った投稿に「人間らしさ」を残す二つのコツ

リスナーからの質問は「最近、AIで投稿を作成する機会が増えました。投稿に人間らしさを残すためのコツはありますか?」。

「簡単に言うと、AIに出力させたものをそのままコピペしないことです」と中野さん。指示の仕方を間違えると、AIは妙に高尚な文章を出してくることがあります。実際に中野さんが読んだあるサイトには、「高名な経済学者がある学説を引き、こういう理論を作りました。あなたの企業はその理論の状態にあるのです」といった文章が並んでいて、思わず「誰が読むの」となったそうです。学説を知りたい人は経済学者のサイトに行くのであって、制作会社のサイトに求められているのは、ウェブサイトを作るときに気をつけていることや、過去のお客様がつまずいた事例とその失敗要因といった、生の言葉で話せる内容。そこに差し替えれば、AIには絶対に書けない、自分の経験に基づいた「あなたにしか書けない文章」になります。チェックの目安は、自分のボキャブラリーにない語句——一生に一度も使ったことがないような難解な言葉や、流行のカタカナ語(特にマーケティング系)——をAIが出力していないかを見ること。普段使わない言葉は、日常の言葉に置き換えるのがおすすめです。

川﨑さんは、AIに任せてよいのは構成・言い換え・投稿案の叩き台までだと整理します。出力は必ずチェックし、今日実際に見たこと、内容を見て思ったこと、社内やお客様から言われたことを追加していくと「人が本当にそこにいる感じ」を作れる。自分で書き足すのが苦手なら、「自分はこう思ったんですけど」「こういうエピソードを思い出しました」とAIにそのまま語りかければいい、といいます。「AIと対話を重ねていくうちに、AIが出してきたただの一般論ではなく、実際の迷いや気づきをもとにした投稿に変わってきます」。

コツ 具体的なやり方 期待できる効果
自分の辞書にない言葉を使わない AIの出力から、自分が使ったことのない難解な語や流行りのカタカナ語を探し、普段の言葉に置き換える 「誰が読むの」となる借り物の文章を避け、自分の声に近い文章になる
体験や思いをAIに語りかける 叩き台に今日見たことやお客様の言葉を追加する。書き足すのが苦手なら、思ったことやエピソードをAIに伝えて対話を重ねる 一般論が、実際の迷いや気づきをもとにしたオリジナルの投稿に変わる

毛利は「自分の辞書にない言葉を使わない、って分かりやすいヒント。AIの文章を書き直すことはあるけれど、その発想はなかったので今日から早速使わせていただきます」と応じ、すべてを自分で言語化するのは高度なテクニックだからこそ、源泉となる情報をAIにきちんと渡し、出てきた言葉をもう一度自分で紡ぎ直す使い方がよさそうだ、とまとめました。

まとめ

「仕事をください」と言わなくても、日々の発信から誠実さや仕事への向き合い方が伝われば、静かに見ていた人が受講や依頼という行動に移してくれる——今回の放送は、その実例が二つも紹介された回でした。AI投稿も同じで、借り物の言葉ではなく自分の経験と言葉を残すことが、人間らしさ、そして信頼につながります。

こうした「信頼につながる発信」の設計は、WACAの「SNSマネージャー養成講座」で体系的に学べます。実務家との定例セッションも継続的に開催しています。

「SNSの沼ラジオ」は、SNSマネージャーの4人がSNS運用のリアルを語るポッドキャストです。放送時間は1回15分程度です。通勤中やランチタイムにもどうぞ。

SNSの沼ラジオ 中の人紹介

第25回「日々の発信が仕事に繋がる!?&AI投稿に『人間らしさ』を残すコツ」を聞く